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スカイ・クロラ

押井守監督のイノセンス以来4年ぶりの新作。永遠の命を授かったのに戦闘機パイロットとして消耗され、再び再生される悲しい運命を背負ったキルドレの物語だ。

スカイ・クロラ、悲しいキルドレ達

押井守監督スカイ・クロラのチラシ
押井守監督スカイ・クロラ。この先ネタバレあり、ご注意ください。

これは悲しい映画だ。
戦闘機パイロットとして戦う事を義務づけられたキルドレが何ともやるせない。
永遠に生きることができると知ってしまったキルドレ達の日常はなんとも現実感のない生活だ。
しかし、パイロットとして空に上がっている時はその瞬間瞬間に強烈な『生』を感じさせる。
死を意識し、生と死の両方を感じてキルドレである事を忘れることができるのはその時だけだからだ。
そして空には絶対的存在としてティーチャーがいる。
だがキルドレにはティーチャーを倒すことができない。それは彼にとってキルドレとの戦いは、常に同じ戦法で戦いを挑んでくるおなじみのカモだからだ。
ティーチャーが相手をするキルドレは過去に何度も撃墜しているクローンだ。ティーチャーと対戦したキルドレは必ず撃墜され死を迎える。ティーチャーに勝った経験を持ち帰ることができないのだ。何度クローンとして蘇っても同じ戦法でしか戦えないキルドレの悲しさがそこにある。ただ一人、草薙水素を除いて。

2008年8月6日(水):札幌シネマフロンティアシアター07

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草薙水素、キルドレの司令官

草薙水素は司令官でありながらパイロットというキルドレでは珍しい存在だ。
彼女はとびっきりのパイロットであるがため、キルドレの標準をはるかに超えて戦闘を生き延びてきた。
そして、キルドレとは何かと言う事についても多くを知っている。

戦争請負会社の中では司令官は一般従業員ではなく管理職だ。そして一般従業員であるパイロットが管理職になるのは非常に難しい。
パイロットはどんなに腕が良くても空に上がれば常に生死を懸けた戦いをする。敵と遭遇すれば戦闘になり、燃料が無くなるか、弾薬が無くなるか、相手を撃墜するかしないと終わらない。そこには階級なぞは関係ない。そんな損耗率の高いパイロットから司令官になるまで生き永えるのはのはほとんど不可能だ。
いわば草薙水素は奇跡的存在なのだ。

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森博嗣の「スカイ・クロラ」シリーズ

押井守監督作品のスカイ・クロラの原作である。
直接の原作であるスカイ・クロラは2001年6月が初版であるので、森博嗣ファンの方はもうとっくに読んでいることと思う。
私自身はミステリをほとんど読まないので、森博嗣の作品はこの「スカイ・クロラ」シリーズが初めてだ。
読んだのは1年ほど前で、押井守監督作品として映画化されると知ってからだ。
このシリーズは作品の時系列と発売時期が一致していないが、今は全て出そろっているのでこれから読まれる方はもちろん作品の時系列にそって読まれるのが一番と思う。
その順番だが、「ナ・バ・テア」、「ダウン・ツ・ヘヴン」、「フラッタ・リンツ・ライフ」、「クレィドゥ・ザ・スカイ」、「スカイ・クロラ」となる。
シリーズの最新刊「スカイ・イクリプス」は番外編で、シリーズに登場する人物に関係する短編集だ。だからこれはシリーズ全部を読後に読む事をすすめる。
映画のキルドレを見てその生き様に何かを感じたら是非原作のリシーズ全部を読んでもらいたい。

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