2001年宇宙の旅、何度見てみすごい
スクリーンで見るのが3回目だが、「午前十時の映画祭」の2001年宇宙の旅を見てきた。
やはりでかいスクリーンで見る2001年宇宙の旅は格別だ。
今回、リストアしたフィルムでノイズが少なく美しい画面を堪能できた。
パッケージのメディアはLDとDVD合わせて数種類持っているが、解像度は大型スクリーンには及ばない。Blu-ray版は見ていないので何ともいえないが、おそらく大型スクリーンにはかなわないと思う。
前半の「人類の夜明け」あたりではそうでもなかったが、宇宙のシーンになるとその解像度が俄然生きてくる。
地球から宇宙ステーションに向かうパンナムのシャトルの小窓に乗客の動きが見えるあたりはその典型例だろう。あのシーンは何度も見ているがそこまでは気がつかなかった。
シャトルが宇宙ステーションに到着するシーンも、管制官の姿が非常にはっきりと見えた。
アナログの合成なのに画像のずれが全くなく、完璧な仕事に改めて頭が下がる。
月に向かう球状シャトルのシーンでは、月面に着陸する間際では操縦席が赤い照明一色になるが、LDやDVDでは派手なノイズが乗ってしまい非常に見にくいのだが、スクリーンだとノイズ感が全くなく、パイロット役の謎の円盤UFOのストレイカー司令官役のエド・ビショップの顔をはっきりと確認できた。彼が2005年に亡くなってしまったのは残念だ。
木星へ向かうシーンではやはりディスカバリー号の作りの細かさとスケールの大きさに感動した。メインエンジン周りの細かいパイプの造形など、最近の作品でもあそこまで細かく作り込んでいるのは少ないと思う。
宇宙服もチョーカッチョイイ!あと何年待てばあのような宇宙服を現実に見る事ができるのだろうか。
そしていよいよモノリスにより異次元の空間へ運ばれるシーン。
ワープするところを第3者の視点から見るシーンは様々な作品で出てくるが、そのただ中を描いているのも珍しいと思う。
スリットスキャン方式の幻想的というか宇宙的シーンは、未体験のスピード感を映像化していて、この作品の見所の一つだが、あんなシーンを見せつけられるとあとに続く者は相当につらい事だったろう。多分、よほど独創的で無い限り2001年のパクリと見られてしまう。
最後の中世風の部屋に行くまでの途中に出てくる有機的な惑星?のシーンも美しすぎる。おそらく超新星爆発なんかをイメージして作ったのだろう。
最後のデビッド・ボーマンがスターチャイルドになる一連のシーンは、静寂な中に呼吸音しか聞こえず緊張感あふれる場面だ。
HAL9000の反乱後は全く台詞がなく、終着地の奇妙な中世風の部屋にいかにも場違いなスペースポッドと宇宙服姿で、いやがおうにも耳が澄まされるところだ。サスペンス作品の緊張感とも違い、ついつい自分の呼吸音も気になってしまうほどだ。こんな緊張感を味わえる映画も少ない。
そして様々な解釈があるラストシーンへ進んでいく。
もう自宅で何度も見ているのでストーリーなどは完全に頭に入っている。それでも音楽と映像が一体化したこの作品は何度見てもすばらしい。
この映画が公開されたのは1968年だが、それ以降発表されたどんな映画も『2001年』的作品は無いと思う。やっぱりこの作品は映画というメディアの最高傑作だと思う。
2010年6月3日(木):札幌シネマフロンティアシアター7




