ハート・ロッカー、どこまでアメリカは不幸なのか

アカデミー作品賞を受賞した話題作
確かに話題作であることは間違いないであろう。
最近のドキュメンタリータッチの映画に見られるリアリティーの追求もトップクラスのレベルで、非常に緊迫感のある映像に仕上がっており、2時間以上の上映時間も気にならない。
もちろん、戦争映画であるので、リアルな爆発シーンもあり、PG12に指定されるのも理解できる。
だが、この映画はイラクで起きていること(又はアメリカが原因でイラクで起こした事)の片方の側から見た一方通行の作品だ。
今まであまり表面に出てこない爆弾処理班の活動を世に知らしめると言う、戦争の別な側面を見せられたという点では新しい切り口だと思う。
しかし、描かれているのは相変わらず狂気じみたアメリカ兵の振る舞いだ。
正義の戦いと信じてイラクに来たものの、正規軍はとうの昔に解体され、組織立った抵抗はないはずなのに、自分たちを狙う仕掛け爆弾が町中にゴロゴロしている環境では正気を保つのは確かに難しいことだろう。
だがそれがどうしたというのだ。
アメリカはイラクという国が組織だってアメリカへ攻撃などしたこともないのに、存在しない大量破壊兵器を口実に勝手に乗り込んできたのだ。
アメリカは町中に自分たちを狙う敵を自ら作ったのだ。自業自得だ。
それが今までアメリカが他国にしてきた結果なのだ。イラクの人々にとっては一刻も早く出て行ってもらいたいのがアメリカ兵だろう。
このハート・ロッカーはそんなイラクの人々のことは何も描いていない。
爆弾処理班として常に生命の危険にさらされ、戦争中毒になっているアメリカ兵の事しか描いていない。
任務の恐怖から逃れるために酒に走り、翌日はまたロシアンルーレットのような爆弾処理を行う。本当にアメリカ兵は不幸な存在だ。
この映画の良いところも悪いところもすべてはアメリカの一方的な見方に出ている。
もう色々な作品で何度も見てきたアメリカ兵の実態だが、未だにこの手の映画が作り続けられる事に呆れてしまう。
ほんとうにアメリカは不幸な国だと思う。
2010年3月29日(月)ユナイテッド・シネマ札幌スクリーン11





コメント (2)
サイト:サイトなし
あなたの批評は非常に的はずれだと思います。
アメリカが不幸な国だとか、イラクは故なく侵略されたと言っておられますがそれは国家間の問題であって、この映画には関係の無いことです。
おっしゃる通り、戦場において戦わされる兵士や、罪もない被害を受ける一般市民が被害者なのは間違いありませんがね。
内容を見ても、この制作者は、戦争を讃えているのでもなく、反戦を訴えているわけでもありません。
それが、なぜ「アメリカの一方的な見方が出ている」などという表現になるのか理解できません。
この制作者が国家の代弁者だと言うのでしょうか?
アメリカにだって様々な考えの人がいますしこの映画は、単に、戦地での爆弾処理という、極限状態に置かれた兵士達を題材にしたものに過ぎません。
最後に、イラクは罪なく、口実をつけてアメリカに攻め込まれたのでアメリカは自ら敵を作ったとおっしゃられていますが
遠因は、イラクのクウェート侵攻からですよ。
さすがに、何もしていない国に難癖をつけて攻め込むことは、今の時代には不可能な事です。
まさに最近の北朝鮮情勢が似たような情勢になっていますが今後激しくなっていっても、アメリカのような国が乗り出してこなければ、どうなるでしょうね~。
韓国が負ければ、次に狙われるのは確実に日本です。
その後でも、今回のような批評が出来るのでしょうか?
それを考えたら、一方的なのは、アメリカや、この映画の制作者でなく、批評者ご自身だと思いますが。
サイト: http://blog.goo.ne.jp/rakitarou
オヤジ様のこの映画への評価は実に素直で私もその通りと思います。その通りの感想がこの映画から出てくるということは、けっこう制作者の意図が汲み取れているのかも知れません(うがった見方かも知れませんが)。つまり受けての側の知性や体制への心構えで「アメリカ兵は不幸」と素直に感想が出るとすれば、ストレートな戦争批判映画が受けないハリウッドの現状ではぎりぎりの体制批判映画だったりするのかも知れません。