オーシャンズ、BBC系とはひと味違った

見たことのないクローズアップに驚いた。
WATARIDORIのジャック・ペラン監督作品だが、同じ海の生物を扱ったBBC系のアースとはちょっと趣が違った。
もちろんお決まりの。ペンギンが水中を飛ぶように泳ぐシーンや、クジラのジャンプ、シャチやサメの補食の様子はしっかりと納められている。
しかし、全体に非常に接近して撮られている。このあたりは技術の進歩と、監督の根性?によるところが大きいだろう。
そのため、本当にその場で見ているような感覚になる。
海鳥が魚を捕るために水中に突き刺さるように潜るシーンは、もしカメラマンがいたら突き刺さってしまうのではないかと思うほどだ。
だがなんといってもこの映画がアースなどと決定的に違うところは、漁の場面がしっかりと入っているところだろう。
このあたりはWATARIDORIでも環境汚染のシーンが出てきたりしているので、監督の訴えたいことの一つだと思う。
捕鯨とフカヒレを獲るシーンが納められているが、非常にインパクトがある。
捕鯨もフカヒレも反対ではないが、あの二つのシーンでこの映画の印象ががらりと変わった。
頭の良さで地球の生物界のトップに位置する人間であるが、その人間も仙人のようにカスミのみを食してはいないことを見せつけさせる。フカヒレ漁の後ではさすがに食欲は無くなるだろう。
だが、これが人間が生きていく上で、また他の動物が生きていく上で生物に課せられた宿命だ。特に人間の場合、生存するだけのための『食』では満足できないことをしっかりと心に刻むことが必要だ。
この映画は期間限定でこども500円で見ることができる。
子供連れの母親も何人か見に来ていた。漁のシーンは確かにショッキングではあるし、幼児には理解できないかもしれない。だが、我々はあのシーンが意味することを理解できる。
宮沢りえがナレーションをしているので、まさかあんなシーンが納められているとは思いもよらなかったが、人間も自然の一部として捉えているところにこの映画の存在意義があると思う。なお、フカヒレ漁や捕鯨のシーンが残虐で、豚や牛、鶏はそう思わないと思う人は、普段我々が食している材料がどのように調達されているかがわかるいのちの食べかた [DVD]を見てはどうだろうか。
2010年3月1日(月)ユナイテッド・シネマ札幌スクリーン10




