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カティンの森、ポーランドの人々が絶対に許さない歴史

カティンの森
ポーランドの人達は決してソ連を許さないであろう。

久しぶりに戦争の悲惨さを通り越し、怒りに震えた映画だ。
この映画はソ連がポーランドという国をどのように見ていたのか明をらかにしている。それどころか、これはおそらく東ヨーロッパ諸国に対するソ連の見方を端的に表している気がする。

映画ではドイツの侵攻後、ソ連が不可侵条約を破棄し侵攻してきたところから始まる。
ドイツ将校とソ連将校が仲良く話している場面などは、その後のヨーロッパの戦いではあり得ないような組み合わせであり、ポーランドの将来は決定づけされてしまったと言ってもよいだろう。まさに悪夢のようなシーンだ。
この時点ではドイツとソ連の間でヨーロッパを分割する密約があったようで、ポーランドがまさにその中間地帯になっていたようである。
その後ドイツとソ連は戦うことになる訳だが、ソ連の掲げるヨーロッパの解放という言葉が、いかに欺瞞に満ちていたかがよくわかる。

ポーランド軍は、ドイツの電撃作戦で東側へ押し込まれるが、西欧諸国がドイツに宣戦布告するまでの間、なんとか持ちこたえようとしているところに不可侵条約を結んでいたソ連が攻め入ってきたのだ。ソ連が条約を尊重する程度がよくわかる出来事だ。

Wikiのポーランド侵攻によると、ポーランド軍は結局どの国の支援も得られず、ドイツの侵攻が始まった9月1日からわずか一月足らずで降伏してしまった。おそらくポーランド軍は他国を呪ったであろう。
この時ソ連側の捕虜となった多くの将校が虐殺され、カティンの森(正確には違うが)に埋められた。いったい何の目的があったのだろうか。映画カティンの森ではそのことについては触れられたいない。
同じような時期、ナチスドイツはすでにユダヤ人に対する弾圧を強めていたが、許されない理由ではあるが目的があった。しかし、ソ連がポーランド軍の将校に対して行ったこの虐殺行為は何が目的だったのだろうか。どうしてもわからない。
勝手に邪推すると、軍の幹部を抹殺し、兵隊をソ連に組み入れ、ドイツと結んだヨーロッパを分割する密約をより確実にするためではないだろうか。あるいは密約を破り、ヨーロッパ全土を共産圏下に置くための軍事力(使い捨てに出来る兵隊)の調達のためだったのだろうか?

今となっては歴史の事実となっているこのカティンの森であるが、21世紀になってようやく映画化出来た事は、アンジェイ・ワイダ監督にとって万感の思いだっただろう。
この映画は、戦争では何度も繰り返された事であるが、勝者の歴史が真の事実を隠蔽してしまう事をしっかりと伝えていると思う。
ポーランドの人達はソ連の行った事を絶対に忘れないであろう。

この映画はR15指定となっているが、この判断は大いに疑問だ。
ラストシーンが問題となるだろうが、これが戦争の実態だ。残された家族の愛のために戦うとか等、ぬるい日本の戦争映画などではなく、しっかりと戦争の真実を若者に見せる必要がある。
映倫には反省してもらいたい。

2010年1月8日(金):シアターキノスクリーンB

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コメント (2)

投稿者:別冊編集人さん コメント時刻:2010年01月13日 17:41
サイト: http://syachou.exblog.jp

TBありがとうございます。
こうした歴史を赤裸々にできるのも映画の力ですね。

投稿者:管理人NAOさん コメント時刻:2010年01月14日 14:37
サイト: http://www.movie.my-sapporo.com/

別冊編集人さん、コメントありがとうございます。
この映画はいろいろ考えさせられるところがあります。
そして、世界中で戦争が行われていたことを考えると、似たような犯罪は山ほどあると思います。
あえて言うなら、ポーランドにはアンジェイ・ワイダ監督がいてよかった。多くの虐げられた人達にはその手段が無いのです。

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