原作よりすっきりするエンディング、20世紀少年最終章
1作目、2作目と原作に忠実に作られた感のあった映画版の20世紀少年だが、今回の最終章は違った。それは良い意味で違っていた。
原作で?と感じたところがずいぶんと整理され、判り易くなったと思う。
特にともだちがいったい誰か?という肝心なところが、原作より納得出来る形で示されていたのが良かった。
原作では、はて、この人物はいつ出てきてたっけ?というほど存在感がない人物がともだちとして描かれていたが、映画では納得のエンディングとなっており、長い作品をうまく終わらせたと感じた。
それは浦沢直樹が、原作ではイマイチすっきりしない、ともだちとケンヂの関係を、映画でよりわかりやすく表現したかったからだと思う。
それにしても、ケンヂ自身が子供の頃犯した万引きが原因でともだちが生まれたというのは、深読みしすぎれば現在のいじめ問題にも通ずるところがあると言えるだろう。
かえってケンヂ達の少年時代のようなワイルドさに欠ける現在の環境にいる子供達の方が、よりそうなる可能性が高いといえるだろう。
いじめが原因で、同じ浦沢作品のMONSTERのヨハンのような人物が創り出されるかもしれないのだ。
これはあながち全くの妄想ではないかもしれない。
グローバルな世界で、自分たちの精神的よりどころをより強く求める現代では、ともだちのような個人だけではなく、組織として被害や迫害を受けた側がとんでもない行動を起こすのを我々は知っている。
子供の頃のいじめが原因となり、その被害者が大人になるとカルト集団を作り上げ、今度はいじめた側を全世界のいじめの対象に仕立て上げ復讐をする。そんな殺伐とした、もしかしたらあり得るかもしれない世界を、浦沢直樹は映画という手法を使い、本格科学冒険映画というオブラートに包み、我々に示したのだと思う。
2009年9月9日(水):札幌シネマフロンティアシアター8




