元気をもらった、サマーウォーズ

大家族のパワーを実感するサマーウォーズ、ネタバレあり。
のっけから展開されるバーチャルワールドのOZ(オズ)に圧倒される。
村上隆風のアバター満載の世界だが、エンドロールをじっくり見ても村上隆の名はなかったので、全くのオリジナルだろう。
こんなバーチャルワールドなら、セカンドライフよりよっぽど取っ付き易い気がする。
セカンドライフはちょっとリアルすぎる。
リアルの世界は長野県上田市の設定で、背景の風景などは男鹿和雄(エンドロールで確認)、キャラクターデザインはエヴァンゲリオンの貞本義行なので、絵的には文句がない。
バーチャルワールドに解き放された実験用A.I.が、本能のまま行動するというパターンはいかにもありそうな話だが、もしかしたらこれが現実に起き得るかもしれないと思わせるストーリー展開で、非常に面白かった。
それにしても、リアルの世界とはいえ、長野の田舎からネットワークにアクセスし、バーチャルワールド内で世界の運命を賭けて軍事用A.I.と戦うという、しかも最後の勝負に花札を使うあたりがいかにも日本的だ。世界的に見て、この花札というカードゲームはどれほど名が知れているのだろうか?この映画がきっかけとなり、広まれば新しい展開があるのではないだろうか。
そしてこの電子的戦いのバックに描かれる陣内家の面々。
女系家族の典型的田舎風に描かれているが、彼らのパワーが凄い。
婆さんの誕生日にあわせて一族が帰省するという、年に一度の大行事に、女性陣は大活躍だ。
その間、男どもの働きがほとんど見えないのもいかにも田舎の大家族の風景だ。
だが、その男どもも、一族の中心人物である婆さんが突然亡くなり、今までバーチャルの世界の出来事としていたOZ内のアカウント乗っ取りが、現実の世界に脅威を与えると判った時、俄然働きだす。
大学の研究室レベルのスーパーコンピューターを持ち込み、電力容量が足りないとなるとイカ釣り漁船の発電機を使ったり、通信回線が貧弱と自衛隊のミリ波通信車を持ち込んだりと、いざと言うときの男の働きっぷりを存分に発揮する。
この一族が一体となり発揮される、1+1=∞的パワーが、都会では過去のものになってしまった大家族の勢いの強さを物語っている。
そして、最後の花札勝負に一気に突入する。
大げさにいえば、勇気ある田舎の一族の行動に、全世界がエネルギーを与えてくれた、というところであろうか。
なんだか、久しぶりに元気をもらった映画を見た気がした。
2009年8月24日(月):ユナイテッド・シネマ札幌スクリーン8




