カンナ登場、20世紀少年第二章『最後の希望』
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20世紀少年第二章『最後の希望』は、いよいよ高校生になった超能力持ちのカンナが活躍する。だが、超能力がスプーン曲げ程度しか紹介されず、ちょっと残念だった。
日本は前作の2000年12月31日の血の大晦日のクーデターにより友民党の独裁政権となっているが、今回はその後の2014年頃だ。
友民党などというふざけた党名の政党が独裁政権を行っているなど言うのは、非現実的と思えるかもしれないが、第二次世界大戦前も同じような状況であった事を考えると、そう簡単に笑うことができないところが原作に込められた意図かもしれないと感じた。
原作と比べると多少ストーリーが整理された感はあるが、初めて見る人達にはちょっとストーリーが飛びすぎていると感じたろう。でも全24巻もある原作なのである程度は仕方ないかとも思う。この長編をどのように映画化でまとめるかが難しかったのではないだろうか。
原作を全部読んでいるので、ストーリー的に特段目を引くところは無かったが、今作も前作同様キャスティングがソックリさんを起用し、大いに楽しまさせてくれた。
とくに小泉響子役の木南晴夏が良かった。
クラスメイトからでもちょっと浮いている感じが出ていて、臆病なくせになぜか暴走して突進する様を良く演じていた。同じ暴走するカンナとの対比が面白い。次作でも大いに活躍してほしい。
前作から出ているマルオの変貌ぶりもよかった。今回はいかにも腹に一物を抱えているというデブのちょんまげマネージャーが様になっている。
新しく出てきた春浪夫も良かった。元になった三波春夫は大阪万博のテーマソングを歌っていたが、顔のテカリといいちょっとやりすぎかとも思えたが、今後の展開を考えると重要な役所だ。次作での活躍を期待したい。
20世紀少年はすでに原作が完結しているので、映画を見てどこまで楽しめるか?が最大のポイントとなると思うが、このキャスティングはそういう意味でかなりのウェイトを占めると思う。
なまじストーリーを知っているだけに、ちょっと引いてスクリーンを見ると、あっという間に現実に引き戻され興ざめしてしまうからだ。
その点、今回もキャスティングはばっちり良かったと思う。
原作を知ってしまっている以上、純粋にこの映画を楽しめる事は出来ないが、近年の日本映画には無い作品だと思う。アメコミを実写化する今のハリウッドの流れと似てなくもないが、日本で最近の作品をここまで忠実に映画化した作品は無いし、この手法には賛否両論があると思うが、今後の新しい流れを作るかもしれない。
そう考えると、まだまだ一部のファンだけに評価の高い優れたコミックは山ほどある。
最近知った『EDEN 〜It's an Endless World!〜』(遠藤浩輝作)も映画化されれば面白いだろう。
映画としての感想は前作と同じように「いろんな意味で世紀のクライム映画」と言うことになってしまうが、今後の日本映画界に与える影響は大きいと思う。
数年後、どのような作品が上映されているか楽しみだ。
2009年2月4日(水):札幌シネマフロンティアシアター05
コメント (1)
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私は昨日この映画を見ましたが、かなり面白かったです^^
漫画を読んでいなくても楽しめたので良かったです。
第三章を期待して待ちたいと思います。