見た事の無いCGと実写の合成
クローバーフィールドのすごいところはなんと言ってもCGと実写の合成技術の高さだろう。
ハンディカメラを意識したわざと手ブレの多い画像に、非常にリアルにCGが合成されている。
おそらく、計算し尽くした上のカメラの視線の高さと画角が、実際に現場にいて走り回っている感覚を十分に味あわせてくれる。
キューブリックのフルメタルジャケットで使われているステディカムによるブレの無い映像が、あくまで幽霊のように第三者的に兵士の背中を追いかけるのとは対照的に、カメラの動きがいやでも実際に人間が構えて走り回っている事を見せつけている。必死で逃げ回っている印象がダイレクトに伝わってくる。
その上で、ぶれた映像に非常にリアルにCGが合成されている。
最近の映像は至る所にCGが使われているが、このクローバーフィールドの合成は技術的ブレークスルーを起こしてしまったのではないだろうか。
DVDが発売されればこのあたりの技術的側面も特典映像で見ることができるかもしれない。楽しみである。
距離感、スケール感が見事に合体
カメラの画角と仰角が距離感とスケール感を見事に描いていると感じた。
冒頭の自由の女神の頭部が飛んでくる場面や、橋を破壊される場面、ヘリの中からマンハッタンのビル街を破壊しながら移動する場面など、今までに無いスケール感と距離感(これが上手なのでスケール感が生きてくる)が味わえる。巨大モンスターの大きさが非常にリアルに伝わってくるのだ。
モンスターが暴れ回るマンハッタンからようやくの思いでヘリで脱出できると思った瞬間、ビルの陰からモンスターの手?が現れ叩き落とされるシーンなどは、モンスターの巨大さとそれに見合った距離感が見事に表現されている。いままでの映画では見ることができなかった映像だ。
破壊されるビル群
何の目的を持っているのか全く判らないモンスターは、移動しながらマンハッタンのビル群を破壊していくのだが、その壊れ方も非常にリアルだ。
商店に逃げ込んだ後、粉塵が道路を覆い尽くすシーンは例えは悪いが、9.11の貿易センタービルの倒壊の様子を思い出す。違いはモンスターが通り過ぎる足音と叫びが聞こえる点だ。
日が明けて、モンスターの全貌が明らかになり、見るからにおぞましい(嫌悪感を覚えるような)容姿で戦闘機や爆撃機の攻撃を受けながらも意に介せずにビル群を破壊して移動していくシーンも、ビルから降り注ぐガラスの破片や、崩れ落ちるコンクリートの破片が今までに無いリアルさで描かれている。すべてCGなのか、マペットとの合成なのか判らないが、あまりにも鮮明しすぎてすごすぎる画像だ。
ストーリーはともかく、合成技術の面では歴史に残る映画となるであろう。




