菊池凛子のすばらしい演技
バベルの中ではやはり菊池凛子の演技がすばらしい。
「音」なしで周りの状況を理解しないといけない困難さと、自分自身の思いを声で表現できないもどかしさがひしひしと伝わってくる。
健常者である自分を見つめた時に、はたして他人を理解するのにどれほど努力しているのか恥ずかしくなってしまう。
クラブでの心の変化を見事に表現
特に、ドラックとアルコールでハイになりクラブへ入った後、中のライトアップに圧倒されて見よう見まねで踊り始めるが、ふと一緒に来た友人を見た時に、音の聞こえない自分がリズムに合わせて踊っていると思い込んでいた事に気がつくシーンなどはすばらしい。
わずかな時間であったが、クラブで踊り興じている皆と一体感を感じていた後の疎外感を見事に演じている。
何かと話題になったシーンであるが、オヤジはこのシーンはバベルの中で重要なところと思う。ぜひ目をそらさずに見てもらいたい。
自分が理解してもらえなかったばかりでなく、自分も他人を理解しようとしていなかった
結局自分は一人なのだという事を思い知らさせられ、一人帰宅し、母親の自殺の再調査にきたと勘違いしていた刑事を呼び出して慰めてもらおうと自暴自棄になっていき、筆談で必死に自分の思いを伝えようとするシーンも素晴らしい。
自分の思いを一生懸命に伝えようとしていたが、相手の事を何も考えずにいた事に気づかされた瞬間である。
それにしても、母親の死の原因は何であったのだろうか?できる事なら刑事に渡したメモを見てみたいものだ。




