ボビー
映画「ボビー」は、ボビーの愛称で親しまれたロバート・F・ケネディが暗殺された1968年6月5日に、事件が起こったアンバサダーホテルに居合わせた人々それぞれの人生模様を描いている。
(2007年4月11日、札幌シネマフロンティア)
豪華キャスティングで人生模様を描写
映画「ボビー」は公民権運動、ベトナム戦争、キング牧師暗殺など、アメリカ全体が混沌とした1968年6月5日におきたロバート・F・ケネディ暗殺事件当日の人々の人生模様を豪華キャスティングで描いたドラマである。
俳優人はアンソニー・ホプキンス、マーティン・シーン、ローレンス・フィッシュバーン、ヘレン・ハント、デミ・ムーア、シャロン・ストーンなどのベテランから、イライジャ・ウッド、メアリー・エリザベス・ウィンステッド、ニック・キャノンらの若手が出演。
事件当日アンバサダーホテルに居合わせた様々な背景をもつ人々の人生模様を緻密な演技で演じている。
映画ボビーでは運命の日の6月5日の朝から、暗殺の瞬間までをロバート・F・ケネディーの実写を交えながら事件の場所となったアンバサダーホテルに居合わせた選挙対策関係者、兵役を逃れるための形式結婚をするカップル、ホテルの厨房での料理人、浮気をするホテルの支配人、元ドアマンの日常を描いている。
派手な演出も無く、淡々と各人の時間の経過を丁寧に描いているのだが、俳優人のすばらしい演技力で運命の時が迫るにつれて人々のボビーに対する希望が高まっていく様子が非常に良く捉えられていて、結末を知ってこの映画を見ている自分にもその希望が乗り移るような感情が湧いてくる。
ラスト近くではその先にある夢を打ち砕かれる瞬間を思い、思わず泣けてしまう。
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ボビーが希望の星であった激動の1968年
1968年という年はアメリカにとって激動の一年であっただろう。
大統領選挙の年であり、泥沼化したベトナム戦争ではテト攻勢でアメリカ大使館が一時占拠されたり、キング牧師の暗殺などがあり、国内は騒然とした雰囲気であったと想像できる。
そんな中で兄を暗殺で失ったロバート・F・ケネディーが非暴力と差別撤廃を掲げて民主党の指名を受けるべく立候補したのである。
人々は少なからずボビーことロバート・F・ケネディーの大統領を夢見、彼の中に希望を見いだしていたのではないだろうか?
もしこの暗殺が無ければその後のアメリカは、世界はどうなったであろうか?と考えずにはいられない。
アメリカ映画界の奥の深さを見た
最近ネタ切れといわれるアメリカ映画界であるが、さすがである。
ケネディー家に関わる特に暗殺については、今でも背後関係や真犯人がわからないなど様々な問題が残っているが、それでも「ボビー」という映画ができたことはアメリカ映画の底力を見た思いである。豪華なキャスティングを見るとハリウッド映画の典型のようであるが、一流ベテラン俳優と若手俳優が一体となりすばらしいできばえの映画となっている。
今から40年前、ある意味アメリカ民主主義の分岐点ともいえる時代を切り取った最高の作品といえる。




