ブラックホークダウン
2001年12月アメリカ公開のブラックホークダウンはソマリア内戦中の1993年に行われた民兵組織のリーダを逮捕する作戦「モガディシュの戦闘」を描いたリドリー・スコット監督映画であるが、この作戦は正規のPKO部隊としての作戦ではなく、アメリカ軍による単独作戦というとんでもないものであった。
アメリカにソマリアからの撤退を決断させた失敗作戦
映画ブラックホークダウンで描かれた作戦は、最初から戦闘員の墜落というアクシデントから始まり、ブラックホークの墜落など次々に想定外の事態が発生し、当初30分と見積もられていたのが結果的に15時間にもおよび、19名のアメリカ側死者を出し、政治的に見れば当時のクリントン大統領にアメリカ軍をソマリアから撤退させてしまった作戦である。
結果としてPKO部隊主力のアメリカが撤退したために、1995年についに全PKO部隊が撤退してソマリアの内戦状態はさらに泥沼の状況に陥ったのである。
ブラックホークダウンそのものは政治的背景についてほとんど語られていないが、アメリカの失敗作戦をここまでリアルに表現した戦争映画はないのではないだろうか。
延々と続く戦闘シーン
ブラックホークダウンの前にはプライベートライアン、シンレッドラインなど第二次世界大戦の激戦映画が公開されているが、この映画はすざましい市街戦を約1時間半も延々と見せ続けさせられ、それまでの戦争映画とは異なり、戦闘の緊迫感を文字通り体験させられる。
このブラックホークダウンでは政治的背景についてはほとんど触れられていないが、戦闘シーンを正面から捕らえることにより、戦争というものはまったくもって愚かであり、大義名分など存在しないことをずばり訴えてくる。




