チャップリンの独裁者
チャップリンの独裁者は、第二次世界大戦開始から約1年後に公開されている。
ユダヤ人虐待を真正面から扱っており、この問題に対して強烈なメッセージを発信している。
登場人物も一目見てそれと判るヒットラー、ヒムラー、ゲーリングを模した役柄で登場しているのでいくらアメリカ国内で製作されたとはいえ、相当な危険もあったのではないかと思われる。
チャップリンの勇気に脱帽
チャップリンの独裁者はとにかく徹底して独裁者ヒンケルとその取り巻き連中をこき下ろし、なおかつユダヤ人虐待を冷酷に描いており、見ているこちら側がハラハラするほどである。
もちろん、喜劇役者であるチャップリンの演技は常に笑いを誘うが、その笑いのオブラートに包んだ強烈な反戦精神には脱帽する。
最後の演説に込められた願い
チャップリンはこの映画で独裁者と虐げられる側の二役を演じているが、映画のラストでは虐げられる側の役のチャップリンが独裁者ヒンケルと間違えられ、オスタリッチ征服の宣言演説を始めるのだが、この演説が人種間の総合理解、人間性の回復を強烈にアピールする内容で感動的である。
しかし悲しいことにこの時代を超えて訴える名演説が現在でも通じるのは、独裁者という映画のあと60年以上たっても、同じ主張をしなければならないほど暗い遠い現実があることを証明している。
現代にも通じるこの演説の一部を紹介したい
人類はお互いに助け合うべきである
他人の幸福を念願として お互いに憎しみあったりしてはならない
世界には全人類を養う富がある
人生は自由で楽しいはずであるのに
貧欲が人類を毒し 憎悪をもたらし 悲劇と流血を招いた
スピードも意思を通じさせず 機械は貧富の差を作り
知識をえて人類は懐疑的になった
思想だけがあって感情がなく
人間性が失われた
知識より思いやりが必要である
思いやりがないと暴力だけが残る中略
"神の王国は人間の中にある"
すべての人間の中に! 諸君の中に!
諸君は幸福を生み出す力を持っている
人生は美しく 自由であり すばらしいものだ!
諸君の力を民主主義の為に集結しよう!
よき世界の為に戦おう!
青年に希望を与え 老人に保障を与えよう





コメント (2)
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こんにちは。
先日飲み屋の席でご一緒させていただいたコヅカです。
「独裁者」観ました!すごい映画ですねー。今まで観ていなかったことを後悔するほど素晴らしかったです。
最後の演説やっぱり素敵です!僕は、あんな感じのストレートなメッセージが映画の中に出てくると、ちょっと引いてしまうタイプなんですが、「独裁者」に関してはそんなことは全くなかったです。それまでの展開(特に独裁者とユダヤ人が同じ顔という設定)と演説シーンのチャップリンの演技(特に演説に入る前の表情!)によって、真っ当なメッセージがこめられたシーンにありがちな偽善的な印象が全くなく、純粋に圧倒されてしまいました。
ただ、独裁者ヒンケルを演じるチャップリンの演技は、こき下ろしているといううよりも、愛すべき部分も持ち合わせている一人の人間として描かれているような印象を僕は受けました。自分の意思とはそれほど関係なく、御輿として担がれ、冷静な判断力を失ってしまった愛すべき(この言い方には語弊があるかもしれませんが・・・)チャーミングな男に見えました。この前観たソクーロフ「太陽」のイッセー尾形演じる昭和天皇に似てるかな・・とか思ったんですが、いかがでしょう?
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コヅカ様、コメントありがとうございます!
最後の演説はやっぱりすごいですよね。真っ向直球勝負という内容で、時代を超えた真理とも言えると思います。現代には思いやりが必要です(ホント)
描かれている独裁者と天皇が似ているとのご指摘、これは難しい・・・。
担がれた(利用された)という点では昭和天皇の方が当てはまるかなと思いますが、独裁者はどうかな?と思います。
世界の神になる野望を持った人物と、最初から神として生まれた人物との比較はいろいろと考えさせられます。ぜひまた語り合いましょう!